坂出市３人不明、死体遺棄容疑で義弟逮捕

坂出市３人不明、死体遺棄容疑で義弟逮捕

　香川県坂出市でパート従業員三浦啓子さん（５８）と孫の山下茜ちゃん（５）彩菜ちゃん（３）姉妹が大量の血痕を残し行方不明になった事件で、坂出署捜査本部は２７日、死体遺棄容疑で、三浦さんの義弟で無職川崎政則容疑者（６１＝高松市国分寺町）を逮捕した。調べに対し「三浦さんだけを殺すつもりだったが、騒がれたので一緒に寝ていた子どもも殺した」と供述。三浦さんとの間に金銭トラブルがあったという。捜査本部は３人の発見を急ぐとともに、詳しい動機を追及する。

　祖母、孫娘の３人が大量の血痕を残して行方不明になった異様な事件は、発覚から１２日目で急展開した。祖母の三浦さんの義理の弟となる川崎容疑者が殺害を自供した。

　川崎容疑者は「三浦さんだけ殺すつもりだったが、騒がれたので一緒に寝ていた子どもも殺した。刃物で刺した」と供述。「自分の車に乗せて山に捨てた」と話しており、捜査本部は、供述から高松市と坂出市にまたがる「五色台」の山中に遺棄された可能性が高いとみて、２８日午前から周辺を捜索し発見を急ぐ。

　川崎容疑者は「１人でやった」と供述しているが、捜査本部は三浦さん宅付近で１６日早朝に「はよせんか（早くしろ）」と話す男の声を近所の住民が聞いていたことなどから、共犯者がいる可能性もあるとみて調べる方針。

　川崎容疑者は三浦さんの妹の夫で、三浦さんとの間に金銭トラブルがあったことが分かっている。これまで任意で事情を聴いてきたが、事件に関与した疑いが強まったとして、２７日午前から本格的に聴取していた。

　関係者によると、川崎容疑者は妻が今年４月に病死した後、三浦さんのために妻名義で多額の借金をしていたことを知り、恨んでいたという。葬儀後、妻名義の借用書がたんすの中から７～８枚見つかったという。

　調べでは、川崎容疑者は、山下茜ちゃん、彩菜ちゃん姉妹が隣の三浦さん宅に遊びに行った１５日午後６時ごろから、姉妹の母佐智子さん（３４）が迎えに行った１６日午前７時５０分ごろまでの間に、３人の遺体を車に詰め込み、遺棄した疑い。

　三浦さん宅の寝室や玄関、浴室に血痕があった。三浦さんの携帯電話や靴、自転車がなくなり、たんすなどの引き出しが開いていたことから、捜査本部は当初、三浦さんが姉妹を連れて家を出た可能性も視野に捜査を進めた。

　しかしＤＮＡ鑑定で３人のものと判明。何者かに襲われ車で連れ去られた疑いが強まった。捜査本部は、金銭トラブルが浮上した知人を含む関係者延べ十数人から事情を聴いていた。顔見知りが車で連れ去った可能性があるとみて、三浦さんの交友関係を中心に捜査を進めた結果、川崎容疑者が浮上した。３人を殺害の動機などを追及する。

日刊スポーツ - ［2007年11月28日9時15分　紙面から］



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